毎月のレセコンから出したCSVを読み込ませるだけ。担当者別の順位、前月比、名義のチェックまで自動で集計し、スタッフに伝えるコメントの下書きまで書き上がります。院長が読む用の詳細レポートは、それとは別に生成されます。数字は医院の外に出しません。
毎月の流れを思い出してください。レセコンから数字を出す。Excelに貼る。担当者別に並べる。前月と比べる。ここまでは、面倒でも手が動けば終わります。本当に止まるのは、その次です。
「で、これをスタッフにどう伝えるか」
数字をそのまま貼っても、伝わりません。むしろ「詰められている」と受け取られます。かといって、どこを褒めるべきかを探すには数字を全部見比べる必要があり、それには時間がかかる。結果として、月次の共有は後回しになり、やがて出さなくなる。当院もそうでした。
先月はメンテナンスの担当が全体でよく回りました。◯◯さんは自分の担当分だけでなく、急に空いた枠を拾ってくれた回数が一番多かったです。数字が出やすいところではないので、ここは見ています。
あと、来院間隔が延びていた方への声かけが増えたのも先月からですね。効果はこれから出るところなので、続けてください。
※ 上は構成を示すためのイメージです。実際の医院の数値ではありません。
「AIは平気で間違ったことを書く」——これは本当です。特に数字が絡むと、堂々と嘘を書きます。経営の話でそれをやられると使い物になりません。当院がここで学んだことは、AI活用の中でもいちばん応用が効く教訓だと思っています。
禁止事項を「言って聞かせる」のではなく、
間違えられない形でデータを渡す。
もうひとつ入れたのがこれです。開始して数ヶ月しかないうちに「過去平均と比べて…」と書かれると、根拠のない評価になります。そこで比較対象の月が3ヶ月に満たないときは、平均を出さないというルールをプログラム側に入れました。AIに「慎重に書いて」と頼むのではなく、慎重にしか書けないデータを渡す。これが答えでした。
この考え方は、経営レポート以外の全部に効きました。AIに守らせたいルールがあるなら、指示文ではなく、渡すデータの形で決める。これはプログラミングの知識ではなく、考え方の話です。だから誰にでも真似できます。
スタッフに向けた文章が「**重要**」や「■ポイント」といった書き方で届いたら、一瞬で「これAIが書いたな」と分かります。そうなると、書かれている中身まで軽く受け取られます。
そこで当院は、院長名義で出る文章について書き方のルールを決めました。AI特有の記号を使わない。定型のあいさつを入れない。自然な話し言葉にする。そして私が手直しした言葉は辞書に記録され、次回から反映されます。使うほど、自分の言葉に近づいていく仕組みです。
コメントは「褒めベース」で作らせています。数字は詰めるためではなく、頑張ったところを見つけるために見るという方針を先に決めてあります。方針は人間が決め、AIはそれに沿って書くだけです。
先月どう伝えたかを引き継いで書くので、毎月同じ言い回しの繰り返しになりません。そして「褒めるべき点の取りこぼし」も減ります。人間がやると、ここが一番抜けます。
数字を「見る」から、「伝える」へ。
月次共有が止まらなくなったのは、
ここが自動になったからです。
売上・担当者別の成績・評価に関わる数字は、当院でもっとも機微なデータです。だからこのシステムは、クラウドにもDropboxにも置いていません。院長のパソコンの中だけで動き、そこから外へ出る経路をそもそも作っていません。
※ 当院はAIの使い分けを最初に決めています。患者情報・給与・評価の生データは院内のAIだけで扱い、それ以外の文章づくりや開発は定額のクラウドAIを使う——という線引きです。
AIで自分の仕事の道具を作っている方、いま何かを試している方。業種は問いません。使っている機材のこと、選んでいるAIのこと、うまくいかなかったこと——何を作っているか、ひとことでも添えてもらえるとうれしいです。